一般社団法人日本医学会連合が『フレイル・ロコモ克服のための医学会宣言』を発表しています。
10年ほど前から、弊社では整形外科学会が提唱してきたロコモティブシンドロームに着目し、口腔環境との関わりを患者さんのカウンセリングに活かしてきました。
日本の社会背景を考えても、健康寿命に直結するロコモ・フレイルから目をそらすことはできません。
そして、ロコモ、フレイルともに口腔環境の善し悪しが影響を及ぼします。
日本医学会連合が発表した宣言を見てみると・・・
1. フレイル・ロコモは、生活機能が低下し、健康寿命を損ねたり、介護が必要になる危険 が高まる状態です
フレイルとロコモティブシンドローム(ロコモ)は、人生 100 年時代における健康 寿命延伸のための健康増進と医療対策のために克服すべき状態です。フレイルは老 化に伴い抵抗力が弱まり体力が低下した状態、ロコモは関節など運動器の機能が低 下して移動が困難になる状態です。多くの人は高齢になるに従って、移動することが 不自由になり(ロコモの状態)、特定の病気によらない体力の衰えが増え(フレイル の状態)、様々な病気の進行と相まって徐々に生活機能が低下して一人では身の回り のことをするのが不自由になっていきます(要介護の状態)。フレイル・ロコモの人 はそうでない人と比較して要介護に至る危険度が約4倍あります。
2. フレイル・ロコモは、適切な対策により予防・改善が期待できます
フレイル・ロコモは、気づかないうちに進行していることが多いために予防と早期か らの対応が大事で、適切な対策によって要介護に至る危険度を下げたり、元の健常な 状態に戻したりできます。また、フレイル・ロコモの原因となっている傷病があれば、 早期に発見して治療・管理することが重要です。すなわち、フレイル・ロコモの克服 には、小児期から高齢期までのライフスコースに応じた対策、様々な領域にまたがっ た横断的な対策が必要です。
3. 私たちは、フレイル・ロコモ克服の活動の中核となり、一丸となって国民の健康長寿の 達成に貢献します
国民の健康長寿の達成には、医学界、市民、産業界、行政、教育界、それぞれの立場 の人が、フレイル・ロコモの克服にむけて自ら対策に取り組み、お互いに支えあうこ とが重要です。私たち医学会は個々に研究開発を推進し、啓発活動を実施するだけで なく、相互に連携してライフコースに応じた対策や領域横断的対策を推進します。さ らに、個人のフレイル・ロコモ克服対策の支援、産業界との連携による新しい対策法 の開発、行政と協調した公衆衛生活動や健康増進の取り組みの支援を積極的に行い ます。
4. 私たちは、フレイル・ロコモ克服のために、国民が自らの目標として実感でき実践でき る活動目標として 80 歳での活動性の維持を目指す「80GO(ハチマルゴー)」運動を展 開します
国民の一人一人が自分自身のビジョンとしてフレイル・ロコモを克服した社会を思 い描けるよう、「80GO(ハチマルゴー)」を提案します。これは 80 歳で歩いて外出 しているという意味です。車いすを使って暮らしている方の場合は、車いすを自分で 操作して外出しているということです。多くの国民が 80GO を目指して健康長寿を 謳歌する共生社会を 30 年後の次の世代に残そうではありませんか
(以上、原文ママ)
8020を文字ったのか、80GOなる文言も出てきましたが(笑)日本の社会構造を考えると避けては通れない問題として、改めて患者さんにも伝えておくべきことだと感じます。