歯科領域における日本の創薬ベンチャーである
トレジェムバイオファーマ。
京都大学大学院 医学研究科口腔外科学分野の
髙橋克准教授による研究成果を活用して、
歯の再生治療薬の研究開発から市場開拓までを
目的としたベンチャー企業です。
このトレジェムバイオファーマが
歯の発生過程に関わる
「USAG-1遺伝子」を抑制する中和抗体によって、
歯が欠如した「無歯症」のモデル動物の欠損した歯が
再生することを明らかにしました。
歯が先天的に欠如する「先天性無歯症」は、
成人するまでに根治的な治療法がない希少疾患ですが
この新しい治療法は、
抗体製剤(注射薬)を使用した歯の再生を目指しているそうです。
USAG-1遺伝子が欠損したマウスでは、
通常は退化して消失する「歯の芽」が退化せずに成長し、
新たな歯を形成することを発見したらしく
この結果から、USAG-1タンパクを薬で不活性化することによって
歯の欠損を治療できる可能性があるということです。
同社は2023年7月3日、
総額3億8千万円の資金を調達したと発表し、
2024年の臨床治験開始を目指す計画です。
同社によると、今後、
先天性無歯症を最初の適応疾患として研究開発を進めて、
高齢者のオーラルフレイルの改善にまで展開すると
説明しています。