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オーダーメイド化する世代

相方である宮内がニュージーランドで純白の高原をスキーで征服している最中、ちょうど反対の日本にいる私は台風の余波が残る明け方早朝5時から子供の受験申込に並ぶ黒い列を構成する存在の一つになっていました。ひっくり返る傘と格闘し、もはや拭う意味すらなくなった服の不快を感じる度に「なんの為に、いまここにいるのだろう」という疑問が「どれだけ前世で悪いことをしたのだろう」という自己反省に昇華した瞬間、整理券を持った係の方が笑顔でゆったりとこちらに向かい歩む姿が映画の中のスローモーション画像の様に映り、涙腺が緩みかけました(笑)

子供の受験がきっかけとなり数多くの教育本を読みました。結果、これが正解という方法は無く、個にあった方法を手探りで掘り当てる労力に耐える強い心を持つことが大切であることを学んだ次第です。そして、その数多い情報量に対応できるだけのサービスも数多く存在することに驚きました。改めて世の中のビジネスを見れば、すべてが代行業であることに気が付きます。医療の世界においても自力で対応できないことを専門知識と技術を持つ方に解決してもらう訳です。

視点を変えれば「自分の目標」が明確になる程、代行してもらう分野も明確になるということになります。受験業界を見ても、数多くの実績を持つ駿台予備校であってもオンライン家庭教師の事業を買収しています。これは代行サービスの「個」が究極のレベルにまで近づきつつあることを示しています。いまやネットを使えば「ここまで求めて良いのか」というレベルの代行サービスの情報も瞬時に手に入ります。

見かたを変えれば「具体的に代行できる何か」を明確に表現できなければ、検索すらされない存在に陥るということになります。オーダーメイド化する世界においては、他人の問題解決スキルの精度を高める努力を止めた瞬間に、その他大勢を構成する一つになるリスクがある世界とも言えます。しかし一方では自分の人生を自分の意思で作り上げることが出来る人類史上初の世代であることを歓喜するべきとも感じます。

あの時に挑戦すれば…、あの時に頑張ればどうなっていたのか…と振り返るよりも、こうなりたいという理想を選択した自分を後悔しない為に努力することが大切であるように感じる次第です。

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