先日、東北大学が口腔環境とうつの関連について発表していましたが、
今回は 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の松山祐輔助教の研究グループ、 ラドバウド大学の Stefan Listl 教授、ヴッパータール大学、キングス・カレッジ・ロンドンとの共同研究のものです。
自分の 歯が多いとうつ症状が少ないという口腔と精神的健康の因果関係を明らかにしました。
【サマリー】
- 口腔と精神的健康の相互の関連が報告されていますが、因果関係は明らかではありませんでした。
- 米国ではむし歯予防のために水道水フロリデーションが実施されており、導入時期や人口カバー割 合が地域で異なっています。この差を利用し、子どものころの地域の水道水フロリデーションで歯が守 られることが、大人になってからのうつ症状を予防するか分析しました。
- その結果、子どものころの水道水フロリデーションカバー割合が高いと、大人になってから自分の歯が 多く残っており、歯が 1 本多く残るごとにうつ症状得点が 0.15 点低くなることが明らかになりました。
- 自分の歯を多く保つことがうつの予防になる可能性が示されました。
社会的に問題となっているものとの研究はますます増えそうです。