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歯周病菌が血管の修復を妨げる仕組みを発見

東北大学 大学院歯学研究科口腔分子制御学分野の多田浩之(ただ ひろゆき)講師らの研究グループによると、歯周病の代表的な原因菌である Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)が、血管内皮細胞が産生する plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)を分解することで、血管内皮細胞の創傷治癒が遅くなるそうです。

 

歯周病にかかると、歯を支える歯周組織は慢性的な炎症に陥り、歯周ポケット のなかで血管が破れて出血します。P. gingivalis は増殖するために鉄分を必要と する細菌で、ジンジパインにより赤血球を壊しヘモグロビンからヘム鉄を摂取 します。歯周ポケットの出血は、P. gingivalis が増殖するために好適な環境とな ります。 血管の内側は血管内皮細胞で裏打ちされており、出血が起こると血管内皮細胞は破れた穴を埋めるように移動して血管を修復します。血管内皮細胞が移動するには、細胞自身が出す plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)というタンパク質が必要になります。

プレスリリースはこちらから

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20211209_02web_tooth.pdf

             

歯原性菌血症の話をスタッフは患者さんに高頻度で話しており、スタッフ自身が飽きてきていることがあります。実際には、患者さんの来院頻度を考えると、患者さん自身はそこまで記憶に残っていないのですが・・・。例えば、今回のようなプレスリリースや新聞記事をもとに話していくと、きっかけになり、話しやすくなります。患者さんとのコミュニケーションに不満を感じる先生は試してみてください。

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