Er:Yagレーザー照射で発生するキャビテーションで
根管に付着したバイオフィルムを破壊することに東北大学が成功したそうです。
プレスリリースによると・・・
- Er:YAGレーザーを使用し、根管内にレーザー照射を行うことで、根管内のバイオフィルム除去を実施
- バイオフィルム実験モデルを用い、Er:YAGレーザー照射によりバイオフィルム除去が可能であること、また、レーザー照射装置先端をバイオフィルム近傍まで挿入しなくても、除去可能なことを確認
- 電子顕微鏡像からは、根管に固着しているバイオフィルムを破壊しているものの、歯そのものには損傷がないことを確認
- また、根管内の細菌数についても、通常の根管治療に比べ、レーザー照射によるバイオフィルム除去の方が効果的なことが判明
- Er:YAGレーザー照射による気泡の発生と崩壊の挙動についてハイスピードカメラで観察したところ、根管内部でのキャビテーションの発生を確認
- レーザー照射後に先端から発生する気泡が消失した1/10,000秒後に先端から約5mm離れた位置に気泡の発生を認め、その後気泡の発生と消失が1/2,000秒間程度繰り返し起こった
- これは、気泡の移動速度と圧力波の伝播速度から、気泡の単なる物理的な移動とは考えにくく、根管内に圧力差が生じることで発生したキャビテーションと考えられる
今後は、キャビテーションによるバイオフィルム除去作用について、照射条件等の最適化を進め、さらに技術を確立していくとのこと
難治性の根尖性歯周炎など、再治療のリスクが高い治療も、成功率を高められる技術になるかもしれませんね。
また、Er:Yagにしても、Nd:YAgにしても、設備投資していても、自費治療として活用できている医院と、置いてあるだけの医院と大きく分かれます。
今一度、活用方法を見直していきたいところです。